合同会社のメリット・デメリット

合同会社のメリット・デメリット

合同会社

合同会社とは、2006年の会社法から始まった新しい会社形態です。
アメリカで1977年に、株式会社より小規模な会社に適する組織形態として生まれた、LLC(Limited Liability Company)です。アメリカでは、日本の「株式会社」と同じくらい普及している会社形態です。

出資者と経営者がイコールで、出資者全員が有限責任社員によって構成されます。
合同会社は年々増加しており、今後もニーズが高まっています。

合同会社のメリット・デメリットについてご説明していきます。
起業を考えている方は、参考にして下さい。

合同会社のメリット

設立費用が株式会社よりも安く済む

合同会社の方が費用面で安くなるため、株式会社よりも利用しやすいといえます。
株式会社の場合ですと、定款を公証役場で認証してもらうための手数料5万円がかかりますが、合同会社ならこのお金は不要です。
また、合同会社なら登録免許税が6万円程度で済みますが、株式会社の場合には設立登記にかかる登録免許税負担が15万円程度かかります。

設立費用を抑えたいのであれば、合同会社が有利になります。

資金を集めやすい

合同会社は、社員自身が出資してその資金で事業を運営します。出資した人全員が「社員」という扱いになりますが、「社員」は従業員である必要はありません。
合同会社に出資した社員は、有限責任社員です。有限責任社員とは、会社が倒産した場合の債務など弁済の必要がある損害に対して、自己の出資額の範囲内で責任を負うことになる社員のことです。

この点から、出資額範囲だけの責任で済むため資金を集めやすいといえます。

出資者と対等の発言力

合同会社における「社員」は、社員1人につき1票の議決権があります。
出資金額の大小に関わらず、すべての社員が会社の運営に平等に関与できる、業務執行権が与えられます。
これには会社の定款で、出資者の発言権に制限を加えることも可能です。

早い意思決定ができる

合同会社は、出資者がそのまま社員という形なので意思決定がスムーズに進むため、早い意思決定が可能となります。

決算を公表する義務がない

株式会社は財務情報を開示する「決算公告」の義務がありますが、合同会社には決算の公表義務がありません。手間がかからず、決算を公表したくない場合は最適です。

株式会社への変更も可能

事業容拡大や資金調達のため株式会社に移行したい場合は、変更が可能です。
一般的に、合同会社から株式会社の変更手続きにかかる費用は、10万円程度になります。

合同会社のデメリット

株式会社に比べ知名度が低い

合同会社が増加傾向にあるとはいえ、株式会社より知名度が低くいため、信用性が低く見られがちになります。取引先が、会社形態にこだわらなければ良いでしょうが、マイナスな印象を与える場合もあることを認識しておく方が良いでしょう。

出資者なら業務執行権があるリスク

メリットであげましたが、出資者である「社員」に業務執行権が与えられます。これがデメリットになる場合もあります。平等の発言権があるため、混乱が生じるリスクです。社員同士で意見の対立が起きると、意思決定が進まなくなる可能性があります。
ですから、社員が複数いる場合は、定款で業務執行社員を定めておく方が良いでしょう。

まとめ

株式会社に比べて少ない費用で設立でき、利益の分配や権限授与の自由度が高く柔軟な経営ができます。そのため、有名外資系企業の日本法人には合同会社が多くあります。
合同会社のメリットを活用できるようであれば、視野に入れてみるのも良いといえます。

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