会話の基本テクニック

会話の基本テクニック

話し方

営業やプレゼンをする場合など、会話をする場面はとても多いです。
その際に、基本的なテクニックを持ち合わせていると、自分のペースで話をすることが出来スムーズに会話を進めることが出来ます。そうすることで、お客様との信頼にもつながります。

役に立つ会話の基本的なテクニックを見ていきましょう。

応酬話法

応酬話法とは、お客様とのセールストークに用いられる話法です。
応酬話法を身に付けることで、商談などをスムーズにに進めるための代表的なスキルのひとつであり、身につけておきたい会話術です。

応酬話法を活用することで、自分の思い通りに話を進め、ネガティブな印象を持たれずに、自分を主張することが出来ます。

例えば、お客様に商品を提案している際に
お客様に「この商品、ちょっと高いな」と言われてしまった場合に、「いやいや、これはお買い得ですよ」となると、相手を論破しようとしているため、お客様の反感を買うことになります。
そこで、応酬話法を活用します。

YES、BUT法

相手の意見を肯定した後で、その後にこちらの意見(反論)を述べる会話術です。
お客様の意見にすぐに反論するのではなく、「そうですね(YES)」とお客様の意見を肯定して聞く態勢を作り、その後「しかし(BUT)」と意見を説明する話法です。

YES、AND法

相手の意見を肯定した後で、その後に相手の意見に沿うように話を進める会話術です。
YES、BUT法の「しかし」の部分を「さらに」「そして」「加えて」「ところで」など否定語には聞こえない言葉でつなぐことで、柔らかい印象を与えることができます。そうすることで、相手は配慮を感じることができ、冷静に話を聞いてくれます。

反論したいけれど、相手の気分を害したくないというときに使えます。

クッション言葉

クッション言葉とは、伝えたいことの前に一言添えて配慮しながら話すことが出来る言葉の事です。
相手に「お願い・依頼」や「意見・反論」、「お断り」などをする場合に、文の前にクッション言葉をいれることで、印象を柔らかくする効果があります。
言いづらいことや頼みにくいことがあるとき、うまく相手に伝える手段としてよく使われています。

例えば、お客様にお待ちいただく場合
「5分ほどお待ちいただけますか。」→「申し訳ございませんが、5分ほどお待ちいただけますか。」と伝えることです。クッション言葉があるとないとでは、受け止める側の印象は大きく異なります。

[クッション言葉の例]
何か尋ねる場合 → 「差支えなければ…」
何かを依頼しるとき → 「ご面倒をおかけしますが…」
改善してほしいとき → 「大変恐縮ですが…」

ブーメラン話法

お客様の否定的な発言を肯定的な内容に変換して、お客様に興味を持ってもらう話法になります。
ブーメラン話法によってネガティブな考え方を、ポジティブに転換することです。
例えば、「(否定的な意見)そうですね、だからこそ○○○した方がいいんです」のように、相手の否定的な発言を反復し、それを肯定的な内容に変え伝えることで、相手に興味を持ってもらうことが出来ます。

ヒアリング法

ヒアリングすることによって得られること
・見落としていることがあるため、ヒアリングすることで再確認できる
・情報のストックをしておくことが大切

聞き出した情報をここぞという時に使えるようにストックしておき、すぐに使うのではなくクロージングの時などにストックした情報をタイミングよく出すことが大切です。
例えば、「〇〇〇なんですよ」とお客様がこぼした言葉を、クロージングの時に「〇〇〇とおっしゃておられましたので…」と切り出せるポイントになります。

また、自分が話し過ぎないように、相手に話させる方法として ”?” をつけて話すことです。
話をしてもらう話題作りとしては、「木戸に立てかけし衣食住」で話題作りが出来、その雑談から相手の情報を得ることに役立ちます。
「木戸に立てかけし衣食住」は下記の話題の頭文字をとった言葉です。
「木」…季節の話題
「戸」…道楽(趣味)の話題
「に」…ニュースの話題
「立」…旅行の話題
「て」…天気の話題
「か」…家族の話題
「け」…健康の話題
「し」…仕事の話題
「衣」…衣料の話題
「食」…食べ物の話題
「住」…住まいの話題
これらの話題は、誰にでも関心を持ちやすく話しやすいテーマなので、共感が生まれ話を広げやすくなります。相手に話してもらえるようこれらを活用してみてください。

接続詞を使う

カチッサー効果
カチッサー効果とは、人が外部からの働きかけによって、深く考えることなしに無意識に反応してしまう心理現象のことです。カチッサー効果を知っておけば、トークを優位に進めやすくなります。

心理学者のエレン・ランガーが行った実験で検証されています。
被験者がコピー機の順番待ちの列へ行き3通りの言い方で頼みます。

  1. 「すみません5枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?」
  2. 「すみません5枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
  3. 「すみません5枚なのですが、コピーを取る必要があるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」

どの伝え方が承諾されやすかったでしょうか。
用件だけ伝えた1よりも、「~ので」を入れて伝えた2や3のほうが承諾率は3倍増えたという結果でした。「~ので」に入る言葉は、こじつけた無理やりの内容でも結果はあまり変わりませんでした。
このことから、外部からの刺激に対して、人は深く考えることなく無意識に反応している結果と言えます。
ですから、何かを依頼する際「~してもらえますか?」と言うよりも「○○なので、~してもらえますか?」といった、接続詞の ”なので” を意識的に使い会話に役立ててください。

[接続詞の例]
場面転換→ちなみに
攻撃力を増す→しかも
言葉をつなぐ→ですので
まとめ→つまり
選択→もしくは
これら接続詞を有効的に使うことで、相手に引き受けてもらえたり、説得力が増すためぜひ活用してください。

まとめ

「応酬話法」、「ヒアリング法」、「接続詞」などの基本的なテクニックを有効活用して、お客様との会話を自分のペースで行えスムーズに進めることが出来ます。これらは、良く知られている方法ですが、意識的に使うことでお客様に興味を持ってもらえ、お客様を動かす力が身に付きます。

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